「ポリ塩化ビニール(塩ビ)を軟らかくするために使われる、有害なフタル酸エステル類の添加物を含む歯固めやガラガラ、おしゃぶりなど、幼児用の口に直接運ぶような製品の取り扱いを、全世界的に中止する」という大手玩具店トイザラスの発表に対し、グリーンピースは歓迎の意を表明する。
トイザラスの世界的な取り扱い中止計画をうけ、日本トイザらスからは「11月18日までに、乳幼児向けの塩ビ玩具を売り場から撤去する」とグリーンピース・ジャパンの電話質問に対し回答があった。
一方、子ども向けのその他の塩ビ玩具は依然としてトイザラスで販売されており、グリーンピースは三歳児以下を対象にした軟質塩ビ玩具すべての取り扱いを中止するよう要求する。

トイザラスは、乳幼児向けの塩ビ玩具取り扱い中止を決断したことで、大手玩具小売店としてリーダーシップを発揮し、小さな第一歩を踏んだ。しかし取り扱い中止となった玩具の対象が乳幼児の限られたもののみとなっていることは大変残念であり、小さな子どもたちは依然軟質塩ビの危険性にさらされている。
トイザラスは、すべての子どもを考慮に入れて、計画を改善するべきである。
フタル酸エステル類が有害な化学物質であることがわかっている以上、このまま子ども達に塩ビ玩具を与え、有害物質に暴露させ続けてはならない。グリーンピースは、フタル酸エステル類を含有した塩ビ玩具や製品を企業が段階的に廃止していくことを要求している。

すでに国内の大手の百貨店、量販店でも、三歳児以下の軟質塩ビ玩具を取り扱わないという方針を打ち出して実行しているところもある。グリーンピースは、トイザラスが三歳児以下を対象にした軟質塩ビ玩具すべての取り扱いを中止するよう要求する。
同時に、トイザラスの約束が、きちんと守られているか、今後市民とともに注意していく。というのもトイザラスは昨年、オーストリアとオランダの店舗からすべての軟質塩ビ玩具を撤去すると約束したが、この決定を撤回した経緯があるからである。

ヨーロッパ数カ国での軟質塩ビ玩具に含まれる有害な添加物の使用に対する規制に続き、今月16日には、カナダ保健省(Health Canada)が軟質塩ビ製歯固めとガラガラを処分するよう勧告した。カナダ政府の検査官は「早急に、有害な可能性のあるあらゆる製品を明らかにし店舗から撤去する」ために、国内中の販売店を検査する予定だ。

玩具メーカーであるレゴ、ブリオ、ラバーメイド各社はすでに塩ビを使わない方針を打ち出している。先週(11月第二週)、セーフティー・ファーストやファースト・イヤーズ、ガーバー・プロダクツを含む多くの玩具メーカーは、歯固め玩具に含まれるフタル酸エステル類の添加物を段階的に廃止することを発表した。

子どもの口の中で塩ビから化学添加物が漏出することを止めるためには、塩化ビニルそのものを段階的に廃止していかなければならない。