「百万メガワットもの風力発電が、
今後20年間で世界中に設置される可能性がある。
再生可能エネルギーでは、
5億世帯* に匹敵する電力である」

* 平均的な欧州の消費を基礎にした数値


風力発電に関する国際的な研究結果が、アルゼンチンで現在開催中の気候変動枠組み条約第4回締約国会議で、欧州風力エネルギー協会(European Wind Energy Association:EWEA)、デンマーク・エネルギーと開発フォーラム(The Denish Forum for Energy and Development)、そしてグリーンピースによって明らかになった。

研究は「風力が世界の電力消費の10%という目標は達成可能か?」という、風力エネルギー開発分野においては有数の企業であるBTMコンサルタントAPS社がまとめたもので、以下がポイントである。
2017年までに844,000メガワットの風力発電が世界各地で設置され、それは世界の電力の10%を賄うことになる。

2017年には2071テラワット/時(terawatt hours)

2010年には、年間2億3千2百万トンの二酸化炭素を削減。2020年には、年間1兆億トンの二酸化炭素の削減。

この数値は、化石燃料の場合と同じコストで達成できる可能性があり、最新のマーケットトレンドに基づいている。
またそのレポートは、「目標を実現するために、政府は発展を支援する政治的な意志を必要としている—-発展とは多くの資金ではなく、制度的な枠組みの設置である」と報告している。これは配電網へのアクセス、公平な支払、京都議定書に固守するための規制の枠組みを意味する。

欧州風力エネルギー協会、デンマーク・エネルギーと開発フォーラムそしてグリーンピースの三者は、来週会議に合流する各国閣僚等に対し、京都議定書によって定義されたクリーン開発メカニズムが、再生可能エネルギー技術を促進し、原子力発電や「クリーンコール」発電(産業界による造語で、石炭を効率的に燃焼させるという発電所)というような誤解を招くものは確実に除外されるよう要請する。

今回の交渉が再生可能技術を支援するというものに合意したならば、風力発電計画は2017年には2071テラワット/時に達し、おおよそ1995年のラテンアメリカ、アジア、インド、中東の電気消費量に匹敵する。

「クリーンエネルギーは、政府の手中にある。危険な気候変動を防ぐために重要である。風力発電のような明らかに実在する解決策を取り入れないことは、京都議定書の趣旨に反するだろう。書類の上ではない、実質的な空気中の二酸化炭素削減が必要ある。来週到着する各国閣僚は、クリーンエネルギーを支援するべきである。化石燃料の拡大を支援することで、これ以上気候を破壊するべきではない」
とグリーンピースのコリン・ミレ(Collin Millais)は述べた。

世界の風力発電所は、1997年に設置されたのが約7,600メガワットで、25%あるいはそれ以上の成長率を反映して、今世紀末までに9,500メガワットに達すると予測されている。

「いくつかの国々では、風力エネルギー産業は、携帯電話の成長率を越えている。この産業界は、たった20年しかたっていない。時には石炭の発電所ひとつを開発するのに、これより長くかかってしまう。なぜ風力発電が特に発展途上国において、それほど魅力的なのか、それは風力発電がクリーンエネルギーであり、コスト効率も良く、エネルギー需要の変化に対応して最大の柔軟性を提供できる迅速な設置が可能だからである」
と欧州風力エネルギー協会のクリストフ・ブリロン(Christophe Bourillon)代表は、述べた。

「今日デンマークでは、風力発電はすでに10%に到達しそうな勢いである。公式な目標数値は2030年までの電力消費の50%である。もし各国政府が再生可能エネルギーの促進を計画するなら、デンマークモデルの成功を模倣することができると、このレポートは証明している」
とデンマーク・エネルギーと開発フォーラムの議長、ハンズ・ビヨレガード(Hans Bjerregard)は述べた。