インド、パジパイ首相閣下
1998年5月12日

グリーンピースは、日本時間5月11日午後7時に非人道的な行為である核実験を強行したインド政府に対し、怒りと深い悲しみを持って断固抗議し、以下を要請します。

今後いかなる核実験も一切行わぬこと。

包括的核実験禁止条約をただちに調印、批准すること。

兵器用核物質生産禁止条約の本格交渉を開始させること。

インドでの核実験の被害を調査し、公表すること。

「核兵器を持つ選択肢を持つ」政策を放棄すること。
世界は、包括的核実験禁止条約の採択により、ようやく「核廃絶」の光を見始めたばかりです。まだ条約の発効もしていない現在、その小さな光は今にも消えそうなのです。
その小さな光を消してしまうことは決してしないでください。「大国」である証明は、核兵器を持つことではなく、核兵器をなくすリーダーシップをとることで示してください。

貴国は1996年9月に採択された包括的核実験禁止条約に反対し、世界中の人々の悲願である「核廃絶」への協力を拒む形になっていました。そして3月28日に承認されたバジパイ政権は「核兵器を導入する選択肢を持つ」としています。これは、断じて許せないことです。

これまでの核実験によって被曝した人々に思いを馳せてください。今日を最後に、二度と核実験をしないように重ねて強く要請します。

グリーンピース・ジャパン
事務局長、志田早苗