グリーンピース・ジャパンが、昨年の地球温暖化防止京都会議で温暖化ガスとして排出削減の対象となったHFC類(代替フロン)の削減計画を、HFC類のユーザーメーカーである冷蔵庫メーカー8社に3月20日付け公開質問状にて質したところ、全社から「削減計画なし」という回答が返ってきた。現在の日本政府のHFC等対策は「産業界の自主努力」が中心となっているが、このままでは削減の見込みはない。
グリーンピース・ジャパンは本日、環境庁、通産省にHFC類生産全廃を前提にした法的規制を求める要請文をFAX送信した。


一社が脱代替フロンである炭化水素冷蔵庫発売予定(時期は未定)

現在全社が冷媒にHFC類を使用中だが、どんな代替物質を使用し、いつ出すか、という質問に対して、松下冷機のみが、「電子冷却冷蔵庫を発売中。炭化水素冷蔵庫を発売予定(時期は未定)」と回答。
他社7社は代替物質を特定せず、時期については未定としている。

グリーンピース・ジャパンでは、他社にも「炭化水素」を有望視しているところがあり、公表はできないものの、開発は進んでいると見ている。グリーンピース・ジャパンは全社に対し、あらためてより一層の商品化努力を求めていく。

全社が冷媒はHFC類を使用中、断熱材発泡では炭化水素(シクロペンタン)が主流に

グリーンピースでは1993年に「オゾン層を破壊するフロン」も「強力な温暖化ガスである代替フロン」も使用しない「グリーンフリーズ」の開発を委託し、実現化させた。現在、世界中に2000万台以上が発売され、生産される家庭用冷蔵庫のおよそ15%がすでに「グリーンフリーズ」である。
グリーンピースでは1993年以来、日本の家電メーカーに対しても一刻も早い脱代替フロン冷蔵庫の開発を求めてきた。

松下、シャープは94年に断熱発泡を炭化水素(シクロペンタン)に切り替えた。三菱、日立は炭化水素と代替フロンの一種であるHCFC類を併用。東芝、富士通ゼネラル、NECはHCFC類(オゾン層破壊物質であり温暖化ガスでもある)を使用している。
発泡は炭化水素が主流になるが、発泡に新たなHFC類(HFC-245fa)を選択肢とする社もある。