1998年1月14日、南極条約議定書が発効する。グリーンピースは、議定書の発効を大いに歓迎する。

議定書の中心的規定は、少なくとも50年にわたる採鉱の禁止である。そして、南極大陸と海洋生態系は「平和と科学に捧げられた自然保護区」に指定された。
議定書の発効は、地球最後の偉大な原生自然地域であり、世界的な汚染物質の拡散を測定する研究室でもある南極の地位を守るために不可欠である。

条約は全会一致の原則のもとに機能するため、全条約加盟国が批准しない限り、議定書は発効しなかった。1991年10月に成立してから六年余経過した98年1月14日にようやく発効に至るが、日本を始め批准が遅れに遅れた加盟国(フィンランド、アメリカ合衆国、ロシア)が南極に与えた悪影響の責任は重い。
しかも、日本は26ヶ国の南極条約加盟国の中で、最後に議定書を批准した国となってしまった。南極大陸の中での日本の基地は、環境の管理をも含めて最も管理が行き届いているグループに属すると言われるだけに、最後の批准国という非常に残念な足跡を南極環境保護の歴史のなかに残してしまったことになる。

「しかしながら、南極条約議定書の発効は、昨年末京都で行われた温暖化防止京都会議の残念な結果に比すれば、非常に喜ばしい結果と言える」と、グリーンピースのゲリー・リープは述べた。
「京都会議ではうまくいかなかったが、世界の国々が力を合わせれば、環境保護のための意味ある合意に達することができることを議定書の発効は示しているのである」

過去13年間、グリーンピースは、最後の未開の大陸の自然を保護するための[ワールドパーク化構想]を実現するためキャンペーンを重ねてきた。環境調査と保護のために、1987年には世界で最初で唯一の非政府組織による基地を設置した。