「ゼロ・ダイオキシン」を訴え全国をツアー中の国際環境保護団体グリーンピースのキャンペーン船グリーンピース号が博多湾中央埠頭へ寄港している。

ダイオキシン汚染は都市部で顕著にあらわれており、福岡も母乳中のダイオキシン濃度が高いという結果がでている。福岡はカネミ油症の悲劇を経験しているが、その原因物質もダイオキシン類の一種であるフランであることが判明している。これは非意図的に生成される猛毒物質が高濃度食品に混入したために起こった事件であり、こうしたことは二度と繰り返されてはならない。

ダイオキシン類そのものが発生しないためには、その非意図的な発生の原因物質である塩素の使用を廃止し、塩素を使用しない生産プロセスでできあがった製品(クリーンプロダクション)へと転換していくべきである。海外ではすでに、たとえば塩化ビニールなどの塩素製品をさけるよう規制が作られ、クリーンプロダクションの導入が始まっている。
また、昨年秋ワシントンで陸上起因の海洋汚染の防止に関する国際会議(LBS* 会議)で合意されたダイオキシンを含む残留性有機汚染物質(POPs*)規制の条約化へむけた動きも本格的になっている。このことは先のG7でも確認されたところである。
一方国内ではダイオキシンに関する法的規制はなく、塩素使用の削減も進んでいない状況である。グリーンピースは、こういった世界の動きをふまえたうえで、日本政府も早急に対応措置をとる必要がありダイオキシン発生「ゼロ」の達成を目標とした厳しい規制を直ちにつくるべきである、と主張している。

グリーンピース号は、13日午前10時~午後5時半と14日午後1時半~5時半に船を一般公開。ダイオキシンの影響や汚染状況などを示した説明パネルや、クリーン プロダクションを展示し、「ゼロ・ダイオキシン」にむけて署名活動も行なう。なお、本ツアーにあわせて、グリーンピースはインターネットのホームページを開設、ツアー行程やリリースなどの情報を発信中である。