国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)は、11月17日(金)より11月26日(日)まで、東京都・青山のLIGHT BOX STUDIOにて、日本における気候変動の影響をアートで感じる展覧会「HELP展 30年後には消えてしまうかもしれない」を開催しました。会期中の来場者数は750人以上にのぼり、大きな反響を呼びました。展示品を含む会場造作を持ち帰りできるリユースの社会実験に関しても、​​62個中59個の品に引き取り手がつき、資源を無駄にしない新しい展示会の形を示すことに成功しました。

終了後のアンケート結果では、「HELP展で、気候変動の影響がどのような形で日本にやってくるかを感じることはできたか?」という問いに6割が「とても感じた」と答え、「HELP展を体験して、気候変動についてどのように感じるか?」との問いには、「自分にできる行動を探したい」に79%が「とてもそう思う」と回答するなど、多くの方に気候変動を自分ごととして考えてもらう機会となりました。

11月30日(木)からは、会場で展示された2つの動画作品(「御渡り」「昆布」)をオンラインで公開します。ぜひ、HELP展公式サイトをご訪問ください。

HELP展 クリエイティブ・ディレクター、宮園夕加

「展示会だけでなく『何かを作る』ことは、『何かを捨てる』ことから免れません。それは生産前のサンプルや試作から、生産過程で起きる余剰な部分、展示会後の会場造作品まで多岐に渡ります。ものを作ることを生業にしている私は、「何も作らないのが一番良い」という結論に行き着き、何も作れなくなった時期がありました。しかし今回のHELP展では、もの作りを通じて、問題や過程を共有し、人と出会い、同じ時間と場所を共にすることの尊さを改めて感じることができました。多くの来場者と問題を共有することができたことは、私にとって今後の大きな糧となりました」

グリーンピース・ジャパン プログラム・マネージャー、高田久代

「想像を超える多くの方が来場くださり、気候変動を自分ごととして考え始めてくださったことがとても嬉しいです。多くの方が20分以上かけてじっくりと鑑賞し、中には1時間以上滞在したり、2回目という方も複数ありました。一方、気候変動が日本の私たちの日常にも影響を及ぼし始めていることを知っていた方は少なく、多くの人が関心も関係もあることにもかかわらず、気候変動の日本への影響が具体的に知られていないことが浮き彫りとなりました。HELP展が、日常と、気候変動について考えること・行動することの間にある空間をつなぎなおすきっかけになれば幸いです。

まもなく、国連の気候変動に関する会議COP28が始まります。1.5度目標を諦めず、地球沸騰化時代にふさわしい政策や取り組みを引き続き求め、応援していきます(注1)」

(注1)グリーンピース・ジャパンからもスタッフが代表団の一員としてCOP28に参加しています。