© Chiaki Oshima/Greenpeace

長引くコロナ禍のなか、2022年には久しぶりの会場イベントや、各界で活躍する著名人への対面インタビューを実施することができ、人と人が直接つながれる機会の大切さに改めて気付かされる1年となりました。環境問題を解決したいと願う方々が持つ声の力と、その影響力があることで、新たなつながりを生み出すことができました。

100年後の理想の未来に向けて

自然環境を脅かす多くの課題を解決し、素晴らしい地球の恵みを100年後の未来まで届けるためには、より多くの人々と連携し、より多くの仲間と協力しあって、社会のシステムそのものの変革を目指さなければなりません。そんな思いから始めた「NEXT100プロジェクト」では、グリーンピース・ジャパンが考える100年後とそれぞれが思い描く100年後の社会のあり方を重ね合わせ、めざす未来像を一緒に考えました。2022年は、水原希子さん(ファッションモデル・俳優)、二階堂ふみさん(俳優)、山田英知郎さん(シェフ)、高橋悠介さん(CFCL代表兼クリエイティブディレクター)といった各界の第一線で活躍する4名の方々からお話を聞きました。

ゼロエミッションで持続可能な交通を日本に

各業界のCO2排出を大幅に削減することが求められる中、世界のエネルギー起源CO2の23%を排出する運輸部門。2030年までにCO2を出さないゼロエミッション車(ZEV)100%を達成するために、飯田哲也さん(ISEP環境エネルギー研究所所長)、堀潤さん(ジャーナリスト)、太田絢子さん(気象予報士)、佐藤琢磨さん(レーシングドライバー)に、これからの都市交通のあり方、自然災害現場から見えてきたもの、異常気象、そしてこれからの車のあり方についてお話を聞きました。

アーティストとともに気候変動のために行動する仲間を増やす「Nature Sound Project

©︎ haruta / Greenpeace

日本に迫る気候変動の危機を広めるために、シンガーソングライターのSIRUPさん、音楽プロデューサーでありギタリストのShin Sakiuraさんと一緒に共同制作した楽曲『FOREVER』をリリースしました。2人のアーティストと一緒に自然豊かな日本の里山に実際に足を運んでフィールドレコーディングしたサウンドが楽曲に使用されています。楽曲は音楽ストリーミングサービスSpotifyのR&B/SoulジャンルでTOP3にランクインするなど、大きな反響を呼びました。アーティスト個人からの寄付にもつながる新しいプロジェクトです。

海洋保護区30%を求めて

© Greenpeace

国連で行われる世界の海の3分の1を海洋保護区にするための「国連海洋条約」を採択する会議を前に、外務省と環境省に署名提出を行いました。グリーンピース・ジャパン アンバサダーの武本匡弘さんとオーシャンアンバサダーの小野りりあんさんとともに、世界各地、そして日本各地からグリーンピースのもとに寄せられた約400万人の方々の思いを届けてきました。そして、2023年3月4日、各国政府がついに海洋保護条約に合意しました。

小野りりあんさん
「30%を守ることが実際に国際交渉の場で議論されていると聞いて、実現すれば将来教科書に載るような転換点になるのだとわくわくしています。今の時代に生きている私たちは、歴史を変える一部になれる機会をもっています。一人ひとりの力って大きいと思います」
武本匡弘さん
「今日、(日本からの)1万6381人の想いがつまった署名を提出することができました。まずは1歩踏み出したように思います。小さな1歩かもしれませんが、これが海や地球を守るための大きな1歩になることを願っています」

アンバサダーとともに平和と環境を考える

© Chiaki Oshima/Greenpeace

グリーンピースが誕生した9月、グリーンピース・ジャパン アンバサダーの武本匡弘さんと四角大輔さんをお招きし、「平和と環境」について考えるイベントを開催しました。ロシア軍によるウクライナ侵攻をはじめ、今なお世界中で起きている戦争や紛争、そして環境破壊。2022年は、平和活動を世界各地で行っているNGOピースボートとコラボレーションし、世界的に人の暮らしと地球の未来がおびやかされる時代において、異なる専門領域を持つ人々がつながることで見えてくる解決策について、100名を超える来場者が集まった会場とオンライン参加の方々と一緒に考えました。グリーンピースのボランティアも久々に集まって、イベント運営のために顔を合わせて協力しあうことができ、人が集うことで生まれるエネルギーを数年ぶりに実感する機会となりました。